虫の目 虫が視る花?!「虫の目」植物図鑑

~ 紫外線照射写真で見る花の姿と彩 ~

紫外線照射下と可視光線照射下で撮影した花の姿と色

更新日時:March 09, 2013 

   
アザミUV

1.お知らせ

1.お知らせ     

 当ホームページの構築は3月9日の更新でほぼ完成しましたが、今後さらに写真を整理して追加・更新していく予定です。

平成25年3月9日現在、アーティチョークからワルナスビまで アイウエオ順に六百種余りの花の写真 (可視光線と紫外線を別々に照射して撮影) を掲載しています。
 現在、第59ページまで作成しました。1ページには十~十数種の花の写真を載せています。

「植物名索引」あるいは「写真第1ページ」のボタンをクリックしてみてください。

最終的には、六百数十種・品種を超える植物の写真を掲載予定です。.
索引も使いやすくする予定です。不備・間違いは見つけ次第 訂正したいと思っています。
しばらくご辛抱ください。

左上の写真は、紫外線照射下で撮影したアザミの花です。花粉が光っていることが分かります。左下の写真は同じアザミの花を可視光線(蛍光灯) 下で撮影したものです。これは通常見るアザミの花の色と姿ですが、紫外線で撮影した上の写真は 普段見る色・姿とは大きく異なります。

なぜここに掲載している写真を撮るようになったのか下段で説明します。

            写真掲載植物名へ

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紫外線照射下のアザミの花

アザミV

可視光線照射下でのアザミの花 team「むしのめ」



2.植物 ・ 太陽光線 ・ 昆虫の関係(撮影に至った理由)

2.植物 ・ 太陽光線 ・ 昆虫の関係 (撮影に至った理由)

 モンシロチョウは紫外線の吸収・反射を利用して交配相手(雄・雌)を見つけていることが知られているように、多くの昆虫は、人間の眼には見えない紫外線領域の光線を認識できることが知られています。昆虫は人間とは異なる世界を視ていることになります。

昆虫は食べ物のありかである花をどのように視ているのでしょうか?大変興味深い 人間にとっては未知の世界です。

  一方、移動できない植物は、独立栄養生物として太陽から地球に降り注ぐ光のエネルギーを利用して、動かずに手に入る水、炭酸ガス、無機塩から生活・成長に必要な有機物を作り出し、人間をはじめとする多様な動物など(従属栄養生物)の生活をも支えています。

 その植物が繁殖するためには、風や昆虫などによって花粉をめしべに運んでもらい受粉することが必要です。風や自然落下による受粉は運任せの要素が大きいのですが、昆虫によって花から花へ花粉を運んでもらえれば効率的です。しかし、それなりの戦略が必要になります。

 この受粉は食糧となる種子や果実の形成に欠かせない大切なプロセスです。植物の受粉戦略を理解し、巧みに利用することは食糧の効率的な生産をはかる上で大変重要なことになります。

 その戦略には、太陽から降り注ぐ光を利用するのが最も有効と考えられます。太陽から降り注ぐ光のなかには、人間の眼が認識できる可視光線(およそ380~780nm:紫~赤、植物の光合成に必要な光線を含む)だけではなく、さらに短波長の紫外線(およそ300~380nm)や長波長側(~3000nm)の赤外線までの広範囲の光線が含まれています。

 植物の花粉は昆虫や風によって運んでもらうために、植物体から突出しています。そのため、遺伝子の本体であるDNAに損傷を与えるエネルギーを持つ紫外線の影響が花粉内のDNAに及ぶ可能性がありますので、植物は紫外線によって引き起こされる花粉内のDNAの分解から守る必要があります。

 その最も簡単で確実な方法の一つが、遺伝子(DNA)を含んでいる花粉やその袋である葯の表面で紫外線を吸収し、より低エネルギーで長波長の光に変更する蛍光(発光現象)反応によってエネルギーを放出し、紫外線の害がDNAに及ばないようにすることです。

(蛍光とは、物質が電磁波や熱、摩擦などによりエネルギーを受け取って励起され、その受け取ったエネルギーを特定波長の光として放出する現象です)

 植物の花粉が紫外線を含む太陽光線に当たっている状態で蛍光を発することは、自分の身を守る上で理にかなっているだけでなく、昆虫を呼び寄せる上でも重要な役割を果たしているようです。

 植物に遅れて地球上に現れた昆虫の多くは花に蓄えられた蜜を食べ物としています。その昆虫は植物の花粉が発する蛍光(紫外線の変化・消失など)を何らかの方法で感知することによって、食べ物のありかを的確に素早く知る能力を身につけてきたと推測できます。

 花びらがパラボラアンテナの形をしているのは 太陽光を花粉の所に集めて花粉の蛍光反応を強めるようにしたのではないでしょうか。

 このようなことを考えながら、紫外線照射下で色々な花の写真を撮ってきました。その一部を掲載します。花が見せる不思議な一面を楽しんで頂ければ幸いです

 残念ながら、まだ、虫の眼がどのような色と形で外界を認識しているのか 未だ科学的に解明されていません。ここに掲載している写真映像が虫の眼が視ている花の色と姿とは同じものとは考えていません。

 下記に撮影方法を示すように、撮影にはそれなりの設備と場所の設定が必要ですので、身近の植物でも撮影できていないものがあることをご理解ください。

3.撮影方法

3.撮影方法
 暗室内で光を反射しない黒色布をバックに花を置きます。カメラをスタンドなどに固定し まず 蛍光灯(白色系)下で撮影し、同じ花を紫外線(ブラックライトに可視光線不透過フィルターを着けた状態で)を照射しながら 撮影しました。

 絞り(F値)を13~19に設定して撮影しました。紫外線照射下では数秒から30秒の露光が必要になります。撮影に利用したデジタル・カメラ(主にニコンD300)のホワイト・バランスはフィルム(ポジ)で撮影した結果と比較して決定しました。

 

 

 

 

 

 

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